「中学受験の失敗が原因で、引きこもりになってしまった」
「引きこもりになった場合どのような声かけが必要なのか」
中学受験の失敗は、12歳のこどもは大変なショックを受けることでしょう。
そこで、中学受験の失敗で引きこもりになってしまう理由や、引きこもりから復活させるための声かけなどを順番に解説しています。
どう声かけをしていいか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
中学受験の失敗で引きこもりになる理由とは?
中学受験の失敗で引きこもりになるには主に3つの理由が挙げられます。
①中学受験の失敗で自信をなくしてしまうから
②自分はダメな人間なんだと思い込んでしまうから
③周りの人と関わるのが怖くなってしまから
今まで友達と遊ぶ時間や大好きなテレビゲームを我慢して、ひたすら自分を信じて勉強してきた日々があります。
ゴールと信じていた「志望校の合格」が叶わなかった時の絶望は、はかりしれません。
「自分は今まで何をやってきたのだろう」
「お正月にサボったからこんなことになったんだ」
心の中は後悔や自責の感情で、いっぱいになってしまうことでしょう。
そして、自分は何をやってもダメなんだと思い込んでしまいます。
中学受験の失敗は、こどもにとって人生で初めての挫折となることが多いです。
上手に立ち直れないと、いつまでも自分はダメな人間だとレッテルを貼り続けてしまいます。
自信をなくし、自己否定が続くと、対人関係にも影響が出てくるようになります。
「中学受験に失敗したなんてバレたら恥ずかしい」
「人からバカにされるかもしれない」
こうなると、人と関わるのが怖くなり嫌になってしまいます。
自分のことも信じられず、人のことも信じられなくなると、徐々に引きこもりにつながっていくことが容易に想像できるでしょう。
中学受験での失敗は、自分への信頼をなくし、他人も信じられなくなることで、引きこもりになってしまう可能性があるのです。
中学受験の失敗で引きこもり状態にどう声かけすればいい?
中学受験の失敗から、心を閉ざしてしまっているこどもには、どのような声かけが必要なのか、考えていきましょう。
中学受験の失敗で引きこもりになる理由のスタートは「自信をなくしてしまうこと」です。
まずは、こどもの自信を取り戻すことが必要です。
こどもの自信を取り戻すには、3つのポイントがあります。
①中学受験の合格(不合格)は通過点に過ぎないこと
②不合格=失敗という考えを取り除くこと
③どんな結果でもこどもへの愛は変わらないこと
中学受験での失敗は、長い人生の中で通過点でしかありません。
この部分は、実は一緒に並走して頑張ってきた親が見失っている場合があります。
「こんなに頑張ってきたのに落ちた」
「お金をたくさんかけたのにどうしてくれるの」
こんなことを言ってしまうような親がいたとしたら、こどもがかわいそうでなりません。
気持ちはわからなくもないですが、最も傷ついているのは目の前にいるこどもです。
第一志望の学校に落ちたとしても、第二志望の学校に受かっていれば良いのです。
また全部落ちたとしても、こどもが4月から元気に公立中学校に通ってくれれば結果オーライです。
中学受験の不合格はあくまで通過点であり、不合格は失敗ではありません。
第一志望の学校に受かったとしても、いざ入学したら友人関係がうまくいかず不登校になってしまったというケースも考えられます。
もしかしたら第二志望の学校の方が、授業がわかりやすく成績が伸びて、楽しい学校生活を送れるかもしれません。
また、中学受験で失敗しようとも、こどもへの愛は変わりませんよね。
もし失敗して落ち込んでいるこどもがいたら、親の愛をこどもに伝えてそっと寄り添ってあげましょう。
美味しいご飯と美味しい飲み物を持って、たくさん話を聞いてあげてください。
ずっと我慢していたゲームや友達との遊び、習い事などやりたいことを好きなだけさせてあげるのもおすすめです。
親の無償の愛は、何よりもこどもの自信につながります!
中学受験の失敗で引きこもりから復活するためのポイント
中学受験の失敗で引きこもりになりそう…そのような場合、どのように対応すべきでしょうか。
引きこもりから復活するためのポイントを紹介していきます。
まずは気分や体調を安定させる
まずは、心と体をしっかり休ませることが大切です。
心と体はつながっています。心が疲れてしまうと、徐々に体調を崩すことがあります。
最後の追い込みで睡眠時間を削っていた子や、緊張から食が細くなってしまった子もいるでしょう。
早く寝ること、美味しいご飯を食べること、適度な運動をすることなど、規則正しい生活を意識して、気分や体調を安定させてあげてください。
中学受験だけではない他の世界や価値観を知ること
目の前の受験勉強に必死になっていると、どうしても視野が狭くなります。
中学受験だけが全て、志望校合格だけが自分の価値につながると、無意識に考えがちです。
絵を描くのが好きなら美術館や絵画展を訪れたり、物を作るのが好きならワークショップに参加するのもおすすめです。家族で旅行に行くのも良いでしょう。
外にでかける気力をなくしている場合は、家で映画を見たり読書するのもよい気分転換になります。
受験勉強している時は、自分の周りには受験勉強する人たちしかいません。ものすごく狭い世界にいることを自覚してください。
中学受験とは全く関係のない他の世界や価値観を知ることは、中学受験の失敗を「過去のこと」として捉えていく手助けとなります。
小さな成功体験をたくさんしてみる
自分は何をやってもダメなんだと落ち込んでいる時には、小さな成功体験をたくさん積み重ねていくことをおすすめします。
これはわたし自身も日々実践していることでもあります。
何をやってもうまくいかない時って、これからの人生いくらでもあります。きっとまた失敗するんだろうなとくよくよする気持ちもよくわかります。
でもどんなにうまくいかなかった日でも、ひとつふたつちょっとした成功体験は存在するものです。
・お手伝いをしたら褒められた
・部屋を片付けてすっきりした
・1冊本が読み終わった
・妹と遊んであげたら、お母さんにありがとうと言われた
・早く寝たら早く目が覚めた
本当にどんな小さなことでもいいのです。
また、この小さな成功体験をたくさんさせてあげられるかが親の力の見せどころでもあります。
どんな小さなことでも褒めて、こどもに感謝を伝えましょう。
専門家や支援団体に頼ってみる
最終的に、親の力だけではどうしようもないと判断した時は、専門家や支援団体に頼ることも手段のひとつです。
中学受験の志願者は右肩上がりと言われています。しかし、中学校の定員は変わりません。
極端な言い方をすると、不合格者数も年々増加しているのです。
毎年合格者を多く出している進学塾では、同じように毎年多くの不合格者を出しています。
不合格の報告を受けた時の対応についても塾の先生はベテランです。
今まで何人もの不合格者を励ましてきた先生だからこそ、かけられる言葉が響く可能性があります。
他にも、フリースペースなどの居場所を確保してくれる支援団体や小学校でいう「学童」のような通所型の支援団体も存在します。
一度、お住まいの自治体のホームページや窓口などで確認・相談してみましょう。今まで知らなかった多くの支援に出会える場合があります。
まとめ
中学受験での失敗は、長い人生においては通過点でしかありません。
また、不合格は失敗ではありません。
今まで勉強に打ち込んできた努力と根性は、これから先の人生で大いに力になります。
中学受験の失敗は親が作り出したもの、という言葉があります。
例えば、本人は第二志望の学校で満足しているにも関わらず、いつまでも「第一志望に行って欲しかった」と否定し続けたり、「時間とお金が無駄になった」と本人の頑張りを無下にしたり。
本来なら失敗でなかったはずのことが失敗と位置づけられてしまう可能性があるのです。
中学受験の失敗が原因で引きこもりにならないように、親としての最初の声かけを大事にしてください。
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