「特待生とは、どんな人のこと?」
「特待生になるための方法が知りたい」
入学金や授業料が免除になる特待生制度について、興味がある方が多いのではないでしょうか。
ここでは、特待生のメリットやどれくらいお得になるのかについて解説します。
メリットがあればデメリットもあるものですが、特待生制度のデメリットや注意点にも触れています。
特待生になりたいと考えている方や、特待生になるとどれくらいお得になるのか知りたいと思っている方はぜひ最後までご覧ください。
特待生とは?どんな人のこと?
例えば、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校では、「入学試験において成績優秀と判断した受験生を特待生とし、入学金・施設拡充費および授業料相当額の奨学金を1年間給付する」としています。
特待生は、各学年終了時に審査が行われ、学業成績が基準を満たせば最長6年間継続できます。
さらに、特待生として入学していなくても、各学年終了時における審査で基準を満たした在校生も特待生に選出されます。
特待生制度は学校独自の制度のため、どの程度優遇されるのかは学校によって様々です。
また、全ての学校で特待生制度があるわけではありません。
いわゆる難関校に分類されるような学校では、特待生制度がない学校が多い印象です。
特待生になることで得られるメリット
特待生になることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
得られるメリットを4つ紹介します。
学費の負担が減る
特待生といえば誰もが想像できる大きなメリットが、学費の負担が減ることです。
学校によって特待生制度が異なるので「いくら安くなる」とは一概には言えません。
しかし、私立中学では入学金だけでも30万円前後かかると言われています。
特待生になれれば、年間100万円近くの負担が減る可能性があります。
私立中学へ進学という選択ができる
公立であれば中学3年間は義務教育期間なので授業料はかかりません。
しかし、この特待生制度をうまく活用すれば、公立中学へ通うのとそこまで変わらない負担で、私立中学へ通えるかもしれません。
経済的不安から私立中学を諦めている場合は、このような特待生制度を利用することで選択肢が広がります。
在学中、学業に専念しやすくなる
先に述べた渋谷教育学園幕張中学のように、毎年度行われる審査によって特待生が入れ替わるような学校の場合、学業に専念しやすくなります。
「成績を落とさないように」というとネガティブな印象ですが、お互い切磋琢磨しながら勉強することは、今後の人生においてもかけがえのない時間となります。
学校からのサポートを受けやすい
特待生は、学校から期待されている生徒ともいえます。
中高6年間が終わると今度は大学受験が控えています。
学校側が、「大学受験の合格実績を伸ばしたい」という理由で特待生制度を導入している場合は、難関大学へ合格するために様々なサポート体制を用意していることが多いです。
特待生になるとどれくらいお得?
特待生になると、どれくらいお得になるのでしょうか。
渋谷教育学園幕張中学・高等学校を例に、特待生と通常の生徒でどれくらい差が出るのか確認してみましょう。
通常の入学の場合 | 特待生での入学の場合 | |
入学金 | 280,000円 | 0円 |
施設拡充費 | 70,000円 | 0円 |
授業料(1年分) | 444,000円 | 0円 |
施設費 | 192,000円 | 192,000円 |
維持費 | 30,000円 | 30,000円 |
後援会費 | 36,000円 | 36,000円 |
生徒会費 | 12,000円 | 12,000円 |
後援会入会金・教材費など | 約133,000円 | 約133,000円 |
初年度合計 | 約1,197,000円 |
約403,000円 |
2024年度の募集要項に記載されている納入金についてという項目を参考に算出しました。
計算してみると、中学初年度に通常の入学では約120万円、特待生での入学では約40万円、1年間に80万円もの違いがあることがわかりました。
次年度以降も学業成績が基準を満たせば授業料(ここでは440,000円の部分・年次によって授業料は変わります)が免除になります。
特待生は金銭面でかなりお得な制度であることがわかります。
特待生になるにはどうすればいいの?
特待生になるための基準は学校によって異なります。
通常の入学試験を受けて上位に入ったら特待生になれる場合と、特待生入試に合格したら特待生になれる場合があります。
また、S特待生は全額免除、A特待生は半額免除のように、特待生にランクがある場合もあります。
入学試験でどの程度上位の成績を取れば良いのか、特待生入試に合格するためにはどのような勉強をすれば良いのかなど、細かく調べる必要があります。
他にも、初年度だけ免除されるのか、それとも年度終了時に毎年審査があって6年間続くものなのか、などなど本当に様々です。
まとめると以下の通りです。
金額:全額免除、半額免除が成績で変わるのか
年数:初年度だけなのか、6年間続くのか
特待生として入学していなくても、在学中に特待生になれるのか
まずは、自分が志望する学校に特待生制度があるかどうか、特待生になるための条件などは募集要項などできちんと確認しましょう。
特待生制度の注意点
メリットの多い特待生制度ですが、もちろんデメリットも存在します。
例えば、6年間継続して特待生制度を取り入れている学校では、年度が終わるごとに審査があります。
新たに特待生になれる生徒もいれば、逆に成績が落ちて特待生でなくなってしまう生徒も出てきます。
成績が落ちた場合、次年度で特待生制度を受けられなくなり、免除されるはずだった授業料などが発生することになります。
自分の成績の良し悪しで年間何十万円もの学費に差が出てくるのは、こどもにとっては大きなプレッシャーです。親が気づかぬうちに無言の圧力をかけてしまうこともあります。
特待生制度自体が、入学後に大きく変わってしまうことも考えられます。
特待生制度は学校独自の制度であるため、次年度から急に制度がなくなる可能性もあるのです。
その点は十分に注意して受験校を選ぶようにしましょう。
また、特待生制度があるからという理由で志望校を決めるのはやめましょう。
本当に行きたい学校に特待生制度があって、特待生を目指すことには大きな価値があります。勉強へのモチベーションも上がるでしょう。
「なにがなんでも特待生」
「行きたい学校ではないけれど、ここなら成績的に特待生で入学できそう」
このような理由で志望校を決めるのはやめましょう。
中高6年間はこどもにとって、とても長くとても貴重な時間です。本当にこどもが行きたい学校なのか、特待生に目がくらんでいないか、冷静に判断してください。
まとめ
こどもを育てるにはお金がかかります。
中学から私立中学に通うとなると金銭面での負担はかなりのものです。
金銭面で特待生というのはかなり魅力的な制度です。
親となった今では、「特待生狙いもありかも」と打算的に考えてしまうこともあります。また、「特待生で入学した」という事実は、こどもにとっても大きな自信となるでしょう。
しかし、特待生制度は不安定なもので、ある時急になくなってしまう場合があります。また、こどもの成績が落ちて特待生でなくなってしまうこともあります。
そんな時にこどもを責めたり、過度なプレッシャーを与えてしまわないか、親自身がよく考えてみましょう。
しかしながら、志望校に特待生制度があるならばぜひ活用したい制度です。
特待生になるには、学校によって審査基準や試験の方法が大きく異なります。
募集要項や学校説明会などできちんと確認し、特待生を目指すのであれば事前にしっかりと準備して家族で話し合っておくことが大切です。
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