中学受験6年生の悩み、
「勉強時間が足りないから寝る時間を1時間遅らせても良いですか」
「小学6年生の平均睡眠時間が知りたい」
「睡眠時間=無駄な時間」と考えている方が大変多いのですが、成績を上げ志望校へ合格するためには良質な睡眠が不可欠です!
そこで、
■小学校高学年の平均睡眠時間や睡眠時間を削るデメリット
■睡眠は勉強にどのような影響を与えるのか
■良質な睡眠をとるコツやポイント
をご紹介します。
中学受験をする6年生に最低必要な睡眠時間は?
睡眠時間に関しては長ければ良い、短いから悪いというものではありません。
また、睡眠時間は個人差が大きいので、一概に「最低○時間以上寝なくてはならない」とは言えないものです。
しかし、眠りの質・眠りの量・眠りのリズムを整えることは、中学受験を控えた6年生にとってとても大切だということは理解しておきましょう。
内閣府が行った調査によると、平日における小学生(10歳以上)の平均起床時間は6時38分、平均就寝時間は21時57分となっています。
計算すると、「8時間41分」が小学校高学年の平均睡眠時間と言えます。
ご自身のお子さんと比べてどうでしょうか?
もし、極端に睡眠時間が短かったり、就寝時間が遅い場合は、生活習慣を見直すことが必要です。
「必要な睡眠時間は○時間」と断定はできないものの、しっかり睡眠時間を確保することは勉強において様々なメリットがあります。
睡眠時間を削るデメリットや影響とは?
中学受験が差し迫ってくると、徐々に睡眠時間を削って勉強するこどもが増えていきます。
睡眠時間を削ることは短期的には成績が若干上がったり勉強時間を確保できたりと、良い部分として見えるかもしれません。しかし、長期的に見るとデメリットが多いのが事実です。
ここでは、睡眠時間を削るデメリットや影響について解説していきます。
体力や免疫力の低下で体調を崩しやすくなる
睡眠時間が短いと体力や免疫力の低下をもたらします。
睡眠時間が足りていると感じているグループと、睡眠時間が足りていないと感じているグループに分けて、体力測定を行った調査があります。
結果は、睡眠時間が足りているグループの方が体力測定の成績が良かったことが示されました。
体力がつくと、自然と風邪を引きにくくなります。中学受験シーズンは真冬です。
インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行する時期でもあります。
免疫力を落とさないためにも、睡眠時間を確保することが大切なのです。
勉強への集中力低下で勉強の質が落ちる
寝不足だと、勉強への集中力が低下し勉強の質が落ちてしまいます。
睡眠時間が短すぎると、脳の前頭葉が大きくダメージを受けると言われています。
前頭葉は、意欲や感情のコントロール、集中力や判断力に関わる部分です。
つまり、寝不足の状態が続けば、勉強への意欲や集中力が低下し、やる気が出なかったりケアレスミスが増えたりします。
脳機能の低下で試験の点数が下がることも
睡眠不足が続くと、脳機能が低下します。
脳は深い眠り(ノンレム睡眠)の間に、脳内の神経ネットワークが構築されることがわかっています。
寝不足が続いて睡眠の質が落ちると、せっかく覚えた学習内容が脳に残りにくくなってしまうのです。
そんな状態で試験を受けたらどうでしょう。
覚えた知識が出てこなかったり、ケアレスミスも多くなったりするでしょう。そうなれば、試験の点数が下がってしまうことが容易に想像できます。
精神的にも休まらず受験に対して不安になりやすい
慢性的に睡眠不足のこどもは、急に怒ったり急に泣いたり、怒った時にはカッとなって感情をコントロールできなくなると言われています。
感情の起伏が激しくなると、精神的に不安定となり気持ちが休まりません。何をしても自信が持てず、中学受験に対しても過度に不安を感じやすくなってしまいます。
もし、感情の起伏が激しすぎる、些細なことでカッとなる、不安感が強いということを感じていたら、睡眠時間を見直してみることが必要かもしれません。
小学6年生の睡眠時間の平均は?
さきほども述べたとおり、内閣府が行った調査によれば、平日における小学生(10歳以上)の平均起床時間は6時38分、平均就寝時間は21時57分、平均睡眠時間は8時間41分となっています。
学年が上がるにつれて、就寝時間が少しずつ遅くなる傾向にあります。
そのため、小学生(10歳以上)の平均睡眠時間である8時間41分よりは短く、8時間30分前後ではないかと考えられています。
良質な睡眠をとるコツやポイント!
睡眠時間・睡眠の質・睡眠のリズムなどの要因が揃うことで、良質な眠りが得られます。
ここでは、良質な睡眠をとるコツやポイントをまとめて紹介します。
こどもの様子などから睡眠が足りていないと心配な方や、より良い睡眠を取らせてあげたいという方は少しずつ生活に取り入れてみてくださいね。
寝る直前に食事をしない
睡眠中にも消化のために胃腸は働きます。
しかし、活動量は起きている時と比べると落ちています。
そのため、消化や吸収効率が下がってしまい、せっかく食べたものの栄養が吸収されなくなってしまいます。
また、翌朝に胸焼けや腹部膨満感という違和感が残り、体調が悪くなります。大人でもよく経験することではないでしょうか。
寝ている間も胃腸が活動をしていることで、脳は興奮状態がつづきます。そのため、熟睡できなかったり、浅い睡眠となってしまう可能性もあります。
良質な睡眠のためには、寝る2〜3時間前には食事を終えるようにしましょう。
カフェインはなるべく避ける
カフェインといえばコーヒーのイメージが強いため、「うちの子は大丈夫」と思っている親御さんが多いのではないかと感じています。
しかし、カフェインが含まれているのはコーヒーだけではありません。
例えば、緑茶や紅茶などのお茶類、ココアやチョコレートなどのカカオ類にもカフェインが含まれています。
カフェインが含まれている飲み物や食べ物は日常的になるべく避けるようにし、チョコレートなどは夕方以降は取らない方が安心です。
寝る少し前に入浴をする
寝る直前にお風呂に入ることはあまりおすすめしません。
おすすめしない理由として、体の深部温度が高い状態だと眠りにくくなってしまうからです。
特に冬場などはしっかり体を温めて冷めないうちに寝るのが良さそうなイメージはありますが、良質な睡眠のためには寝る1〜2時間前にお風呂を済ませておくようにしましょう。
寝る前にスマホやタブレットは見ない
スマホやタブレットなどの電子機器が放つ『ブルーライト』
これは、脳を活性化させてしまうような強い光と言われています。
人間は「日光を浴びて覚醒し、夜に暗くなったら寝る」という睡眠のリズムがあります。
本来なら暗いはずの寝る前にスマホなどで強い光を見ていると、脳が昼間と勘違いしてしまうのです。
寝る1〜2時間前からはスマホやタブレットを見ない習慣をつけると、質の良い睡眠へと導いてくれます。
寝る前にストレッチなど軽い運動をする
血液のめぐりを良くするストレッチは、体の深部温度を下げる効果があります。また、筋肉の緊張をほぐすことで、体がリラックスできるようになります。
寝る前にストレッチなどの軽い運動をしておくと、深い眠りにつきやすくなるのでおすすめです。
ただし、ここで激しい運動をしてしまうと、脳が興奮して眠りにくくなってしまうので注意してくださいね。
仮眠は15分以内が理想
昼間どうしても眠くなってしまうことがありますよね。
そんな時に睡魔とたたかいながら勉強するのはとても効率が悪いので、潔く仮眠しましょう!
ただし、仮眠は上手に取ることが大切です。
● 15分程度でタイマーをかけておく
● 横になるだけでもOK
昼間にたくさん寝過ぎてしまうと、夜の睡眠に影響が出たり、すっきり起きられないという悪循環に陥ることもあります。
横になって目をつぶるだけでも休憩や気分転換になります。
眠くて眠くて仕方のない時は、仮眠を上手に取り入れて脳をリフレッシュさせてください。
まとめ
日本人の勤勉な気質のせいかもしれませんが、睡眠時間を削って勉強することが素晴らしいという考えがあります。
しかし、睡眠時間を無理やり削るのは、「明日のテスト」であれば多少効果はあるかもしれませんが、長期的に見たらデメリットが多いものです。
寝ている時間は、知識を定着させたり、新しいことを覚えるのに必要な時間です。決して無駄な時間ではありません。
もしお子さんが睡眠時間を削って勉強しようとしていたら、睡眠の大切さについてきちんと説明し、良質な睡眠が取れるように協力してあげましょう。
コメント